大阪府貝塚市:3つのホールを持つコスモスシアター大ホール残響可変装置

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コスモスシアターの魅力 

大ホール:残響可変装置で残響時間を調整。録音に真価を発揮。

 
コスモスシアターの大ホールには、大規模ホールとしては非常に珍しい「残響可変装置」が観客席壁面全体に張り巡らされている。 この「残響可変装置(壁表面)」を動かすことで、残音時間を調整することができるのだ。
大ホールならではの豊かな響きに加え、録音の音源や求める音質に合わせた残響の調整ができる大ホールは「録音ホール」としての高いポテンシャルを持っている。

今回は、ホールの音響についてコスモスシアターアドバイザーの瀬口洋一郎氏に話を聞いた。

音源によって、適した残響時間は変わる

  • 編〕大ホールの残響時間は1.4秒~2.0秒となっていますが、0.何秒でそれほど差があるのですか?
  • 瀬〕音響に携わる人間としては大きな差ですよ(笑)。
    例えば アコースティック音楽の場合、電気的なエフェクトをかけないため適した残響時間は長めです。ホールの室容積や形状によって異なるためおよそですが、2,000人規模なら2秒前後。ホールが小さくなると最適残響時間は短くなります。 オーケストラや室内楽のリサイタルなどクラシックがメインのホールなどに当たります。
    同じアコースティックの分野でも、オペラハウスなど声楽を中心としたホールは 残響時間が長いと歌詞が聞き取りにくくなるため少し短め。 マイクを使うことが多い場合は、声楽より更に短く1.5秒程度となります。
    0.何秒でも随分と違うでしょ?

大ホールなのに残響可変装置!

  • 編〕なるほど。ということは、それぞれのホールが固有の残響時間を持ってるのですね。 でも当ホールには「残響可変装置」があるから残響時間の数値に幅があると。
  • 瀬〕観客が入ると音が吸収されて残音時間が短くなります。観客数や衣服、つまり季節でも変わってきますから、ホールの残響時間は一定ではありませんが、設計上の残響時間となるとそうなりますね。
    「残響可変装置」は他のホールでも中ホール規模なら備えている所はありますが、大ホール規模となると、関西圏では当ホールを含めて2カ所位だと思います。 この残響可変装置で残響時間を調整することで、クラシック音楽から演劇やミュージカル、講演会まで、より良い音響で楽しんでいただけます。
  • 編〕多目的ホールでありながらの「音」へのこだわりですね。
  • 瀬〕その分、ホールとしてのデザインは一見シンプルで派手さは無いんですが(笑)。

残響可変装置は録音ホールとして優れた機構

  • 編〕音源に合わせて残響時間を調整できるから、録音ホールにも適しているわけですね。
  • 瀬〕そうですね。音はホールの壁面を幾何学的に反射しながら観客に伝わっていきます。ですから、この反響音伝達経路の調整がホール設計の重要なポイントとなります。残響可変装置は、壁そのものの表面形状を変えることで反響音伝達経路を調整し、残響時間を変化させているわけです。
    残響時間は音質を決める重要な要素となります。どんな音源で、どんな音を表現したいのか……どの程度の残響時間を最適と考えるかは、録音される方の意図と好みです(笑)。ホールPA(音響)で「響」を調節できることは、私たち音響の仕事に携わる技術者としては、すごく便利なことなんですよ!あらかじめリハーサルで調整・確認して設定しておけば、曲毎にボタン一つで変更できる点も素晴らしいですね。
    こうした点が、レコーディング会社さんや演奏家の方々に高く評価されています。

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